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いつだって楽天南米_No.161 #358 [世界のサッカー事情]

テベスがキャリアの岐路に、絶対に後悔のない決断を!!

【去る2月4日、ボカの最多得点記録を持つストライカー、パレルモの引退記念試合に招待されたテベス。久し振りに古巣ボンボネーラ(ボカのホームスタジアム)に姿を現わすと、超満員のスタンドからは大歓声が沸き上がりました
 ミランか、インテルか、はたまたパリSGかと、それこそ毎日のように移籍の話題が取り沙汰されるなど、冬のマーケットで文字通り主役を演じたテベスでしたが、結局、少なくともこの夏まではマンチェスター・Cに留まることに。昨年9月27日のバイエルン戦で、マンチーニ監督から命じられた途中出場の指示を拒んで以来、かれこれ4か月以上もピッチに立っていないテベスは、いまだチームとは別行動を続けていて、母国アルゼンチンに滞在しています
 試合に出ていないだけでも問題ですが、もっと心配なのは、この空白の4か月間、サッカーに対する愛情や情熱がテベスから全く感じられなかったこと。コンディションを維持するためにプロのチームと一緒に練習をしたければ、ボカは以前のブルディッソのように大歓迎で受け入れたでしょうし、自主トレをしたければ場所はいくらでもあります。にもかかわらず、メディアで報じられたテベスの近況といえば、「ゴルフのコンペに参加」、「音楽祭にゲスト出演」、「ビーチで家族とくつろぎ中」と、ファンをがっかりさせるモノばかり・・・
 マンチェスター・Cから規律違反の処分が下された昨年10月、「みんなのテベスがこのまま第一線から消えてしまうなんて寂し過ぎる」とこのコラムで書きましたが、あの時、まさか状況が悪化の一途を辿ることになろうとは、正直予想もしていませんでした。
 おそらくマンチーニ監督を初めとするマンチェスター・Cの関係者は、テベスが態度を改めることを期待して待っていたのではないでしょうか。でも当の本人は、クラブに無断でアルゼンチンに帰国したきり、マンチェスターに戻ろうともせず、トレーニングしている姿をアピールする姿勢すらありません。つまり、マッタク反省していないように見えるのです。
 パレルモの引退試合では、当初、プレーすることになっていました。中継したテレビ局のレポーターも、直前まで「久し振りにテベスがボールを蹴ります!!」と興奮気味に語っていたのですが、イベントが始まってユニホームを着た選手達が登場すると、その中にテベスの姿はありませんでした
 ボカに数々の栄冠をもたらしたビアンチ監督と一緒に、テベスが私服姿で現われたのは、ハーフタイムでした(写真/テベスの右はパレルモ。左はパレルモの長男)。すると、ボンボネーラの大観衆からは「オーレー、オレオレオレー、テベス!! テベス!!」の大合唱。私はその瞬間、昨年のコパ・アメリカでメッシ以上の大声援を受けていたテベスの人気が、いまだ衰えていないことが判ってちょっと安心したのと同時に、テベス本人には、人々から認められて喝采される喜びを思い出して欲しい、今すぐにでもピッチに立ってプレーしたいという情熱を取り戻して欲しい———そんな願いにも近い思いを、抱いたモノです。
 昨年6月、アルゼンチンのトーク番組に出演した際に、「俺は28歳になったら引退するんだ」と爆弾発言を放ってファンを驚かせたテベス。直後にコパ・アメリカが開幕したこともアッテ、この発言はさほど大きく取り上げられずに、すぐに忘れられてしまったのですが、マンチェスター・C残留が確定して直ぐの2月5日に、テベスがちょうど28歳の誕生日を迎えたのは本当に偶然というカ、皮肉というか。どこまで本気だったかは判りませんが、テベスの心の中にあるプロ・サッカー選手としての情熱が、既に冷めてしまっているのだとしたら、それほど残念なことはありません。
 マンチーニ監督は、「もしテベスがトレーニングを再開してコンディションを取り戻したならば、もう一度私のチームでプレーするチャンスはアル」と、一度は閉ざした扉を開いてくれています。その言葉を素直に受け入れて、次に繋げるかどうか。自分の未来は、自分次第でいかようにもなるのです。テベスのファンの一人として、後悔のない決断を下してもらいたいと思っています。】 《この項・了》




《ワールドサッカーダイジェスト:2012.3.1号_No.358_記事》
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