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SPAIN チアゴのプレーに注目して欲しい [THE JOURNALISTC]

[サッカー][目]  [手(チョキ)]
リーガ・エスパニョーラ  《ヘスス・スアレス記者》
移籍マーケットがオープンし、リーガにも世界各国から優れた才能が参入してくるなか、スアレス氏がもっとも注目しているのがバルサのチアゴだ。今夏正式にカンテラからの昇格を果たした天才から目を離すべきではない。

チェルシーの新監督は モウよりペップに近い印象
マドリーが狙うアグエロをターゲットに加えるなど、ヴィラス・ボアスは、恩師を意識したかのような動きを見せている。
来るべき新シーズン、ヨーロッパのフットボール界をリードし、チャンピオンズ・リーグで覇権を争うのは、おそらくバルセロナ、レアル・マドリー、マンチェスター・ユナイテッド、チェルシーの4チームになるだろうと、私は予想している。
 とりわけ注目しているのは、FCポルトに1500万ユーロ(約18億円)もの違約金を支払い、33歳の青年監督、アンドレ・ヴィラス・ボアスを招聘するという特大のサプライズを提供したチェルシーだ。
 ご存知のように、ヴィラス・ボアスはかつてチェルシーとインテル・ミラノでジョゼ・モウリーニョ監督(現マドリー)のアシスタントを務めて来た人物だが、彼のフットボールは師匠のそれより、はるかに挑戦的で攻撃的。どちらかと言えば、バルサのジョセップ・グアルディオラ監督やアーセナルのアーセン・ヴェンゲル監督に近いという印象を、私は持っている。
 ポルトを率いた2010ー11シーズンは、最終ラインを高く保ち、サイドと中央でも見上げるようなアタックを見せていたが、同様のスタイルをチェルシーでも貫くことができれば、あるいはプレミアリーグに革命を巻き起こすことになるだろう。
 また現在、このチェルシーの新指揮官は、恩師モウリーニョの足元を切り崩すかのような、無気味な動きも見せている単に好みのプレーヤーのタイプが似通っているだけかも知れないが、例えば、マドリーの今夏のターゲットでもあるセルヒオ・アグエロ(アトレティコ・マドリー)とファビオ・コエントラン(ベンフィカ・リスボン)の獲得を、チェルシー監督就任の条件に加えてみたり、マドリー守備陣の要であるペペに熱烈なオファーを送るといった具合にだ(編集部・注:コエントランは7月上旬にマドリーへの移籍が正式決定)。】

ファッションが飾り立てる カリスマ性など無用の長物
モヒカンがトレードマークのブラジル代表ネイマール。フットボーラーとしての能力に疑いの余地はないが...。
【ヴィラス・ボアスの、移籍市場に於けるこうした“対モウリーニョ”を意識したかのような動きは、マドリーだけでなく、リーガ・エスパニョーラの他のクラブにも小さくない影響を与えるだろう。
 実際、チェルシーがアグエロを釣り上げることに成功すれば、スペインで“ストライカーの玉突き移籍”が生じる可能性は高い。積極的な動きを見せるだろうと予想されるのが、グレゴリオ・マンサーノ監督を招聘した所属元のアトレティコ。エースの売却益を元に後釜確保に躍起になるはずだ。ちなみに新指揮官の理想は、ディエゴ・フィルランも同時に放出し、ジュゼッペ・ロッシ(ビジャレアル)とアルバロ・ネグレド(セビージャ)の強力タッグを完成させることだという。
 最も、ビジャレアルとセビージャがすんなりエースを放出するとは思えないが、オファーの内容によっては売却の可能性もゼロではない。
( ー 中 略 ー )
 一方、アグエロをチェルシーに奪われた際のマドリーの標的は既に決まっている。ブラジル代表の新星、ネイマールだ。
 ネイマールは、ブラジル人らしいボールテクニックに優れたアタッカーで、所属するサントスでは、先頃コパ・リベルタドーレス制覇の立役者となったばかり。スピードやパワーも申し分なく、19歳ながらブラジル国内では圧倒的な人気を誇るなどスター性も十分と、トッププレーヤーになるために必要な要素を、全て備えていると言っても過言ではナイだろう。
 しかし、不安要素がナイわけではない。とりわけ、その奇抜なヘアスタイルに代表されるように、マルでモデルや映画スターのような振る舞いを見せている点については好ましいとは言えない。フットボール以外のことに夢中になるあまり、瞬く間にトッププレーヤーの座から転げ落ちて行ったロナウジーニョの例もアルだけに、過度の期待を懸けるべきではナイだろう。
 同じくサントスで活躍し、マドリーに入団したロビーニョも、スペインに来た当時はフィーバーを巻き起こしたものだ。だが、騒ぎはすぐに収まった。起用法にも問題がアッタとはいえ、未だ未熟な点が多かった彼は、マスコミからスター扱いされたことで自分を律するのが難しくなってしまい、結果、天才的なドリブラーの進化はピタリと止まってしまったのである。
 「アンドレス(イニエスタ)は髪も染めていないし、タトゥーも入れてなければピアスもしていないが、紛れもなく、世界最高のフットボーラーの一人だ」
 ペップは常々そう語っているが、私も同感だ。ファッションが飾り立てるカリスマ性など、ピッチでは無用の長物に過ぎない。

パスの成功率や正確さでは シャビに遠く及ばないが
シャビとはまた違った形で攻撃を司るチアゴ。バルサ屈指の技巧派MFとして知られる19歳は、どのようなプレーを見せてくれるのか。
【新シーズン、私が最も注目している選手は、バルサのチアゴ・アルカンタラである。外から補強した選手ではなく、既にトップチームでもデビューを果たしているが、これまでは出場時間も限られていたため、本領を発揮したとは言えなかった。従って、正式にトップ契約を結んで迎える初めてのシーズンに、彼がどのようなプレーを見せてくれるのか、本当に楽しみでならない。
 チアゴが元ブラジル代表MFマジーニョの息子であることは、ここでも何度か触れて来たが、確かに彼のプレーには、ブラジル的エッセンスがシッカリ入っている。
 パスの成功率や正確さでは、先輩シャビに遠く及ばないが、独特のリズムから繰り出されるドリブル、周囲の予測を裏切るパスは紛れもなく一級品。
( ー 中 略 ー )
 チアゴが90分間プレーすれば、私は10回は腰を抜かす。シャビは想像の範囲でパーフェクトなプレーをする選手だが、チアゴは良きにつけ悪しきにつけ、我々の想像を裏切るプレーを見せてくれるのだ。
( ー 中 略 ー )
「セスク・ファブレガスを獲得するのであれば、チアゴは必要ない。放出すべきだろう」
 そういった意見も多く存在する。だが私は、シャビ、アンドレス・イニエスタ、セルヒオ・ブスケッツ、セスク、チアゴの5人が共存できると信じて疑わない。その理由については、実際に5人が揃った時に、改めて説明させて頂くことにしよう。
 チアゴは6月に行なわれたUー21欧州選手権でスペイン代表の司令塔としてプレーし、決勝では観衆を呆然とさせるようなロングシュートを決めて優勝に貢献したが、元々監督の申し付け通りにプレーするタイプではないだけに、ペップの力量が問われることになるだろう。
 Uー21欧州選手権に於いて、同世代の中では比類なき才能の持ち主であることを証明したチアゴ。次はヨーロッパに冠たるバルサで、その実力を見せる時だ。ブラジル人プレーヤー的なドロップアウト、すなわち酒浸り、女浸りで身を持ち崩すことがなければ、それも難しくはナイだろう。
 最後に、ユース年代のヨーロッパ王者に輝いたUー21スペイン代表の選手たちについても触れておこう。
 スペインUー21代表は、チアゴを中心としたバルサ的なパス回しでゲームの主導権を握り、全く危なげない展開で頂点に立った。
 チアゴ、ボージャン・クルキッチ、ジェフレン・スアレス、マルティン・モントーヤ、アルベルト・ボティアなど、マシア(バルサ・カンテラの呼称)出身の選手が数多くひしめく中、エース候補のボージャンをベンチに追いやった大会得点王のアドリアン・ロペスを初め、アンデル・エレーラ、イケル・ムニアインなど、他クラブのユース出身者も完全にバルサ流の戦術に順応していたのは驚きだった。これはひとえに、自身もバルサのカンテラで育ったルイス・ミジャ監督の指導力のお陰だろう。
 ロンドン五輪の出場権を獲得したUー21代表の選手たち。スペイン・フットボールの未来を担う若き逸材は着実に育って来ている。そのことが、この優勝で改めて明らかになったと言えるだろう。】 《この項・了》


《ワールドサッカーダイジェスト:2011.8.4号_No.344_記事》
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